喉周りに過度な力みが起こらなければ気にする必要はない、と考えている。
さらに言えば、腹式呼吸(腹式発声)をしていないから吃音が起こる、と勘違いしないでほしい。そもそも腹式呼吸だけ、胸式呼吸だけというのはあり得ず、どちらの呼吸法のウェイトが大きいかというバランスの問題だ。
喉に力み(緊張)があると声は高くなる。吃音癖のある方(且つ、吃っているとき)は声が高い傾向がある。つまり、喉周りが力んでいる。この力みは筋肉の滑らかな動作を邪魔し、VOL.10で書いた声の3要素のタイミングやバランスがくずれ、吃音が起こる。
呼吸するときに主に働く筋肉の位置が喉周りから離れているお腹を使った腹式呼吸がオススメだが、そこに拘り過ぎないことだ。吃音を乗り越えるために必要な呼吸とは、腹式とか胸式ではなく、声を発したいタイミングで声帯に息を当てることができればよいとシンプルに考えてみてはどうだろう。