VOL.20 再スタート

7ヶ月ぶりの投稿。この間、Kさんからの連絡が途絶えたからである。

4ヶ月前、久々に連絡をもらった。「本当に治るのか不安になった」と打ち明けられた。素直な子だと感心した。

おそらく山頂が見えなくなったのだろう。これはKさんだけではなくて、克服しようとしている若者皆にも当てはまる当然の理由である。ここが吃音克服の難しさでもあり、最初に乗り越えるべきハードルなのである。

その後、幾度も会って、吃音の苦しさを語り合うのはもちろん、勉強のこと、部活のこと、何でも話せる関係になった。私の考えや経験も時間をかけて伝えることができたし、そのお陰で、話すという動作のマインドセットを変えることができた。このプロセスをショートカットしてはいけない。少年野球のコーチ時代もそうだったように、その子の骨格や動きの特徴だけでなく思考の癖なども理解した上で指導していいたことをふっと思い出した。

私の考えは、吃音は癖、癖の修正には土台となる知識と有意識による動作の習慣化、これらをその人の状態に応じて試行錯誤しながら繰り返しやること、そして成果は徐々にしか現れない。この考えに納得したKさんのチャレンジが再スタートした。

最低限必要な知識(=何を知っていれば吃音克服に役立つのか)はこの数か月である程度学んでもらったので、これからは実践モードである。

Kさんの許可の下、その進捗と私のコメントをつぶさに本サイトに公開し、本人の備忘録を兼ねて活用してもらうことにした。

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