Kさんの状態を私なりに考察してみた。ちなみに、Kさんはまだ自己観察・分析をしてもらっている段階だ。客観的に自分の声を知ることが何よりも大切なので、この自己観察・分析を疎かにすると、出発点を見誤ってしまう。
VOL.8で本人が気づたように早口であることと、不明瞭であること、これらは吃音の副次的な影響だろう(あくまでも推測だが)。しかし、これらは吃音を克服していくプロセスで大きく改善されるはずである。
あと、リズム感も欠けている。ここで言うところのリズムとは、音楽のリズムではなくて呼吸のリズムである。息をタイミング良く吸っていないし、吸い方が浅い。
今は、これらに気づくことが重要である。以前述べたように、鏡を見ることで治すべきポイントを意識すること、そして鏡を見続けることを習慣化しなくてはならない。これも口で言うほど簡単ではない作業だと思う。
話を戻す。私が気づいたのは、声(特に第1音目)が息にしっかり乗っていないのと、息(を吐く)x声帯(を閉じる)x声道(のフォーム)この3つのタイミングが合っていない(合っていれば声は必ず作られる)、そして力加減のバランスが悪い。そのうち追々触れることになるだろうが、この3つの要素ひとつひとつを声の仕組みの学びを通じて理解して、自分のカラダという楽器を使えるようになることが目標である。
もうしばらく、いろんな角度から自己観察・分析を続けてもらう。