Q1.なぜ10代~20代が対象なのですか?
A1.
10代~20代の中学生・高校生・大学生を対象にしています。特に10代は多感な時期です。この時期に吃音に苦しむのは本当に辛いことです。自身を振り返ったとき、もし、この時期に改善・克服の道筋が見えていたら進学や就職の選択肢も違っていたと思います。この苦い経験をもとに、今現在、将来への不安を抱える学生の方の吃音を二人三脚で乗り越え、本来の勉強や部活に集中できるよう応援するのがK-Climbersのミッションです。
Q2.どれくらいで吃音を克服できますか?
A2.
ある日を境に、突然、吃音が直ることはありません。「癖」とは無意識で行う習慣的な行動です。癖を修正するために声の出し方のコツを見つける期間、それを新しい習慣として身に付けるための期間が必要です。コツは個人の感覚的なもので、ちょっとしたことがキッカケで早期にコツを掴む場合もありますし、そうでない場合もあります。一方、コツを掴んでから習慣にするまでの期間は、どれくらい意識的に声を出す機会をつくれたかに寄ります。吃音の程度やコーチングの頻度などにも寄りますが、半年以内には不安を解消し、1年以内には改善を実感できるようひとりひとりに寄り添ったサポートを行います。
Q3.なぜ出張コーチングしているのですか?
A3.
本気で改善・克服したいと決意したときにスタートするのがベストなタイミングです。都市部にお住まいの学生であれば治療院や矯正所も幾つかあり定期的に通うことは可能です。一方、地方にお住まいの学生の方はそうはいきません。地理的条件が不利な方を応援するのもK‐Climbersのミッションです。出張によって拘束される時間を料金に反映していないのもその理由のひとつです。(移動に伴う実費だけは負担していただきます)
Q4.オンラインではコーチングしないのですか?
A4.
画面から得られる情報だけではコーチングできません。全身が見え、かつ息づかいを感じる距離感が必要です。
Q5.声の仕組みを学ぶのは何のためですか?
A5.
楽器を習い始めるとき、まずは楽器から音が生まれる仕組みを教わります。声はカラダという楽器から生まれる音なので、声を出すためにはカラダがどう動く必要があるのかを学ぶことは、意識して声の出し方を習得する上ではとても大切なことです。皆さんの想像以上に、カラダ全体を使っていることに驚くと思います。と同時に、声や呼吸に影響を及ぼす筋肉の緊張が如何に悪いことも知ります。学ぶにあたっては、文字だけでなく視覚的に理解し、自分のカラダに置きかえてイメージできるようにすることで、カラダという楽器をコントロールしやすい状態を作り上げます。
Q6.理にかなったフォームとは何ですか?
A6.
声に必要な発声器官や呼吸器官の動きの基本、つまり声の仕組みに逆らわないフォームです。スポーツでも楽器でも動きには基本があって、その先に応用があります。声もカラダを使って作られる音なので、その点ではスポーツや楽器と同じです。極端な例ですが、舌が母音[i]の位置にあるとき母音[a]の音を出すことは不可能です。破裂音[k]の音を出すには口の奥と舌がしっかり接触しすぐに離れる動きが必要です。これらは音を出すためにはフォーム(形や動き)が大切であることの例えです。正しいフォームと息を声帯に当てて振動させるタイミングが合っていれば声は必ず出ます。息を吐くのも、声帯を締めるのもすべて筋肉が動いた結果です。これらの司令塔は脳ですから、脳に正しい声の出し方をしっかり覚えさせ、それを習慣にする過程で吃音は徐々に改善していきます。
Q7.マインドシフトとは何ですか?
A7.
生きていく上で必要な飲食や呼吸のための器官を利用して声は作れられます。
この命を支えるために与えられた役目の異なる器官達を巧みに連動させて声を作る司令塔は脳です。
その脳から吃音イメージを取り去って、声や呼吸の仕組みに素直に従った指令を出すようなイメージ
を持たせる必要があります。そのためには、声や呼吸に関わる器官達の場所・構造・役割を知ること
が役立ちます。例えば、呼吸を支える横隔膜、肋間筋、腹筋、骨盤底が「どこにある?大きさは?ど
んな動き?」等を正しく知っていれば、巷で良く耳にする「お腹で呼吸する」「腹式呼吸」の本当の
意味が具体的にイメージできます。声を作る声帯がある喉頭部分、共鳴や調音で大きな役割を担う舌
など多くの器官が発声には関わっています。これらを身体地図として頭に思い描くことができれば、
意図した動きに誘導することが可能になります。逆に思い違いをしている場合、理に叶った呼吸や発
声が妨げられる可能性があります。
Q.コツとはどんなことですか?
A.話すときに何をイメージ(意識)するかです。
スポーツでも楽器でいいので、何かを習得するときのことを考えてみてください。
最初のうちは動きはぎこちないですが、練習を重ねるにつれて滑らかな動きになります。
その過程ではいろいろと考えながら(試行錯誤)を繰り返しているうちにコツをつかみ、やがて出来
なかったことができるようになります。そのつかんだコツを意識してさらに練習を繰り返すと、コツ
が洗練され、最後は何も意識しなくてもできるようになります。
ただ、何かひとつのコツだけで吃音を克服できる訳ではありません。点が線になり、線が面になるよ
うに、いろんなコツを組み合わせ、積み重ねていくことが大切です。
Q.ゆっくり話すとコツやフォームをカラダに染み付くのですか?
A.想い出してみてください。初めてのボール投げ、ピアノ、ギターなど如何でしたか?基本動作を学んだ(または教わった)後、ゆっくりした動きでフォームを確認しながら毎日のように練習した記憶がありませんか?声もカラダを使った運動です。ゆっくりとした動作で頻繁に練習することでちょっとずつカラダが慣れて上達していきます。
Q.意識して話すと良くないと聞いたことがありますが?
A.
吃音を意識するのでなく、習慣になるまで発声時のコツやフォームを意識することは癖を直すために必要なことです。
例えば「ゆっくり話す」ことを意識する場合、ただ「ゆっくり話す」ではなく、何(舌や唇を動かす
スピードや息の勢いなど)をどれ位(いつもの半分のスピード)「ゆっくり動かす」のか、自分のイ
メージにぴったり合うコツを二人三脚で探し、それを意識するように指導します。
Q.腹式呼吸でないと吃音は直りませんか?
A.喉周りに過度な力みがなければ気にする必要はありません。
腹式呼吸(腹式発声)をしていないから吃音が起こるというのは勘違いです。
そもそも腹式呼吸だけ、胸式呼吸だけというのはあり得ません。
どちらの呼吸法のウェイトが大きいかというバランスの問題です。
ただし、喉に力み(緊張)があると筋肉の滑らかな動きを邪魔するため、呼吸するときに主に働く筋
肉の位置が喉周りから離れている横隔膜を使った腹式呼吸が好ましいです。
Q.こちらから伺ってコーチングしてもらうことも可能ですか?
A.可能です。
ただし、未成年(18歳未満)の場合、事故やトラブルのリスクを避けるためお断りしています。
Q.なぜ短期集中型なんですか?
A.吃音克服の最初の一歩は声の出し方のイメージ転換です。
別の言い方をすれば脳内改革です。このイメージ転換は短期間で十分です。
イメージ転換が出来た後は自力で改善/克服することは可能です。
ただし、発声におけるカラダに染みついた習慣を変えるまでにはある程度時間はかかります。
Q.短期集中とはどれくらいの期間ですか?
A.上記のイメージ転換であれば、学習と実践合わせて2日間程度です。
一気にまとめて受ける方が
Q.短期集中コーチングを受けた後のフォローはありますか?
A.チャットやメールのやり取りで対応します(無料)。
二回目以降も出張コーチングをご希望の場合、料金を割引致します。
Q.1回の短期集中コーチングでどこまで達成できますか?
A.コーチング期間とクライアントの理解度や上達の程度に寄ります。・・・・・
これまでのコーチング経験からヒントやコツの事例をいくつかご紹介します。
ピンと来るものがあったら試してみてください。
カラダについて
喉周りの力み解消法
喉周りの力みは禁物です。発声で一番パワーが必要なのは息を吐くための横隔膜や肋間筋です。声帯を閉じるときも、舌や唇を動かすときも力むほどのパワーは不要です。リラックスした状態でハミングをしてみると実感できると思います。喉周りで一番大きな筋肉をもっているのは舌です。その舌をリラックスさせる意識はとても大切です。舌の力みをぬくときのコツですが、舌先だけでなく舌根(舌の奥の方)を意識してみてください。
話し方について
最初の言葉がフリーズしたとき
例えば「ありがとう」の「あ」でフリーズした場合、
・「あ」のフォームができていますか
・声道のどこか(声帯ではありません)が閉じていて息を吐けない状態ではないですか
・声帯を閉じるタイミングで息を吐いてますか
・息の勢いは足りてますか
・頭の中が「あ」で止まっていませんか 等
なぜフリーズしたのか、そこに改善のヒントがあります。
練習法のひとつですが、ハミング音「m」を「ありがとう」の前に付けて「mありがとう」と言ってみてください。「m」のときの口の中の感覚を維持したまま「ありがとう」に繋げます。感覚が掴めてきたら、「m」は頭の中だけで「〇ありがとう」、さらに慣れてきたら「ありがとう」と言ってみましょう。「m」と「あ」の違いは声帯から上の部分だけです。声帯振動をイメージして発声する練習です。
早口で不明瞭な話し方を直したい
吃音の影響で早口で不明瞭な話し方になる傾向があります。
日本語では1つの拍はだいたい同じ長さで発音されます。
拍とは音の長さを表す単位で、「あ/り/が/と/う」は5拍、「きょ/う」は2拍です。
普段から拍の長さを揃える意識と、子音に続く母音をしっかりと発音しましょう。
話し方が聴きやすいと感じる方の拍はだいたい揃っていると思います。
息x声帯x声道
息(を吐く)x声帯(を閉じる)x声道(のフォーム)この3つのタイミング合っていれば声は必ず作られます。この3つの要素ひとつひとつについて「声の仕組みの学び」を通して理解を深めることで、自分のカラダという楽器を上手に使えるようになります。
心構え・その他について
自分の声を聴いて事実を認めることで生まれる変化
吃音のある自分の声を聴くのは耐え難いと思います。
しかし、現在の自分の声に向き合わずして将来の自分の声を思い描くことはできません。
自然治癒力という言葉をご存知でしょうか?
人間の身体に本来備わっている力のことです。吃音は病気や怪我ではありませんが、自分の録音した声を聞き続けていると、この自然治癒力的な作用が働いて良い効果を持たらせてくれます。
例え話ですが、立っている姿勢が悪いのは鏡を見ないと気づきませんが、一旦気づくと意識がそこに向って修正することができます。鏡を見る頻度が増えれば姿勢を正す意識が習慣化され、そのうち姿勢が良くなります。
毎日数分程度の日常会話を録音した自分の声を客観的に聴いて、どんなことに気づき、どんな変化が起こるか試してみてください。
他人(非吃音者)の話し方を観察する
自分がいいなぁと感じる人の話し方を徹底的に観察してみると多くのヒントに気づきます。
例えば、どのタイミングでブレスを入れているか、ブレスからブレスまでの長さ、強弱(リズム)、スピードなどの息づかいや、声が響いているのはカラダのどこら辺か、カラダ全体の動き等です。
何でもいいのでこれまで気にも留めなかったポイントを観察してみるといろいろなことに気づきます。
カラダは声の楽器であることを他人の声から学ぶことができます。
ゆっくり、そして丁寧に
普段の生活において、あらゆることをゆっくりと丁寧に行うという心構えはおススメです。
感覚的にはいつもの2倍ぐらい時間をかけるように動作します。
不思議なことに心も整って来ることに気づきます。動作を起点に心も変えることができる証です。
他人の話も雑でなく丁寧に聴く、そして丁寧に話すと不思議と心も落ち着いてきます。
吃音の改善・克服に役立つ直接的な手段ではありませんが、この心構えは良い影響をもたらします。