生徒・学生の方へ

多感な思春期の真っ只中にいると、吃音の悩みはとてつもなく大きく、進路の選択肢を狭めたり、社会人になってからのことを想像することすら躊躇したくなる気持ち、よく理解できます。

どうやったら吃音を克服することができるのか、できれば短期間で…ネットで調べ、チャレンジしては落胆の繰り返しではないでしょうか?私もそういうことの繰り返しで、神様から与えられた一生背負うしかない宿命と勝手に思い込んでいました。

ここでお伝えしたいのは「吃音をどう捉えるかでアプローチの方法が変わってくる」ということです。吃音をカラダに染み付いた癖と捉えれば、癖を直すために必要なことに取り組めば良いことになります。私も半信半疑ながらも”癖に違いない”と割り切ったことで気持ちも随分楽になったことを鮮明に覚えています。

”声はカラダの動きそのもの”です。呼吸や声に関する器官の構造や機能を学ぶことはとても有効です。知識を得ただけでは吃音は直りませんが、理解することで間違いなく吃音に対する考え方に変化が起こります。

目指すべきは、声の仕組みを妨げないカラダの動かし方(=理にかなった声の出し方)です。とてもシンプルなことですが、間違ったカラダの動かし方が習慣になっていてそれに気づけない、気づいても一気に変えられず時間がかかるため挫折しがちです。

声の仕組みを理解し、理にかなった声の出し方のコツを見つけ、繰り返し練習し、それを習慣にするというアプローチは自然です。スポーツや楽器の経験がある方であれば共感できるのではないでしょうか。

脱・吃音への道筋が見えれば、得体の知れない吃音の恐怖・不安はかなり薄れます。そして習慣化していくうちに吃音のことを忘れてしまうことでしょう。自分の力で自分を変えることができたという経験と自信は、将来、本当に向き合わなければいけない何かに必ず役立ちます。

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